※人間らしい生活をより積極的に実現化していこうということで、最近は、「福祉」の変化に伴って「ウェルフェア(事後処理的な対応)からウェルビーイング(人権の尊重・自己実現)へ」という考え方が主張されてきています。

日本の住環境の特徴  ≫≫住環境整備の重要性


福祉住環境整備の必要性■

日本の住環境の特徴



◆高齢者や障害者を取り巻く社会状況
日本の人口は2000(平成12)年の統計では、65歳以上の高齢者の割合は約17%です。少子化高齢化傾向が進み、2015年には65歳以上の人口が約25%に達し、「超高齢化社会」となると予想されています。

したがって高齢者に配慮した住宅が必要となってくることは言うまでもありません。しかし、現実的には、住宅総数は世帯総数の約4392万世帯(平成10年「住宅・土地統計調査報告」総務庁統計局)を上回っており、住宅の「量」的にはある程度の解決をみたものの、「質」的には多くの問題を抱えています。


◆日本の住環境状況と問題点
 ◆◆段差が多い構造
木構造が中心の日本の住構造では、床面に段差ができやすい。このため下肢筋力やバランス能力が低下している高齢者では、わずかの段差でも、つまずき転倒による大きな事故につながりやすくなります。


 ◆◆尺貫法での施工
日本で木造住宅を建てるときには910mm(3尺)という伝統的な尺貫法を基準に造られて来ました。この結果、廊下や階段、開口部などの幅員が狭くなり、車椅子などの福祉用具を使用する高齢者や障害者の室内移動には適さないと考えられます。


 ◆◆狭い住宅面積
日本の住宅は欧米と比較しても極端に狭く、したがって一部屋あたりの面積も狭くなります。また、近年は生活用品が多様化し、生活も様式化が進み、家具類の使用が多くなってきたため、車椅子などの福祉用具を使用する高齢者や障害者の室内移動を困難にしていると考えられます。


 ◆◆福祉用具が活用しにくい住環境
狭い住宅面積では、福祉用具を用いて介護しようとしても、車椅子使用者の介助では室内移動やドアの開閉などに制限が加わります。


 ◆◆高齢者や障害者に不向きな和式の生活様式
日本では床座といって、畳などの床面に座って生活を送ることを基本としてきました。床からの立ち上がり動作は下肢能力低下やバランス障害のある高齢者には不向きです。同様に立ち上がり動作を強いる和式トイレや和式浴槽をまたいで出入りする動作などは、高齢者や障害者に不向きと考えられます。


 ◆◆夏季対応の住宅構造(冬季に適していない住宅構造)
日本の気候は高温多湿のため、日本の住宅は夏季に合わせて造られてきました。したがって、冬季の寒さには向いていないと言われています。冬季の暖房は多くは居室のみで、居室と廊下、脱衣室と浴室では温度差が大きくなります。特に入浴中の死亡事故が多いのはこのような住環境と入浴習慣が大きく関与しているためと考えられます。

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